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男性同性愛者の感染率が高いアメーバ赤痢は年々急増中!

2019年11月09日

アメーバ赤痢とは公衆衛生環境設備が未発達な発展途上国では、現在でもしばしば流行をくりかえしている感染症です。原因は原虫の一種の赤痢アメーバが感染することで発症するメカニズムが明らかになっているので原虫感染症の一種です。赤痢アメーバ自体はきわめてありふれた大腸寄生原虫のひとつで、全世界では約5億人つまり10%弱もの感染者が存在すると推測されているほどです。もっともすべての原虫に病原性を獲得しているわけではなく、病原種が1に対して非病原種が9と考えられています。2~3週間程度の潜伏期間を経るのが一般的ですが、数ヶ月から数年以上にわたる潜伏期間を経て発症することもあります。アメーバ赤痢の主な症状は、鮮血が混じった粘液便や下痢・頻繁に少量の下痢便を排出するいわゆる”しぶり腹”(テネスムス)や排便時の下腹部痛などです。ただし症状の現れ方はさほど急激でもなく1日数回程度の下痢から20回以上のしぶり腹など幅はありますが、数週間程度の間に改善と増悪を繰り返しながら慢性的に経過するのが一般的です。しかし肝膿瘍などの合併症を引き起こさない限り衰弱状態に陥ることはありません。

治療方法はフラジールの投与が一般的です。フラジールには有効成分にメトロニダゾールを配合しており、赤痢アメーバなどの原虫の体内に移行すると細胞毒性を発揮するニトロソ化合物に変化し抗原虫的に作用するのが特徴です。アメーバ赤痢の治療方法としてはフラジールをメトロニタゾール500mgとして1日3回×2錠を10日間服用します。治療成績は良好で肝膿瘍などの合併症が無いかぎり、生命にかかわるようなリスクはありません。なお赤痢アメーバは上水道が未整備で不潔な生活用水を使用するなど、発展途上国特有の事情の下で感染が繰り返されている原虫感染症のため、流行地は事実上発展途上国に限られています。上下水道の整備されている先進国ではほとんど流行が見られることはありません。しかし先進国でも男性同性愛者の間で感染者が確認されおり、新たな公衆衛生上の課題と認識されつつあります。男性同性愛者の性行為では、赤痢アメーバに感染した大腸から性行為を介して、感染が拡大していくことが原因のため、適切に治療するにはパートナーも含めて同時に治療する必要があります。しかし実際にはパートナー同士での治療に取り組むのは稀なため、今後も先進国では男性同性愛者間でのアメーバ赤痢のリスクは存在し続けると予測されています。