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1回の性行為でも強い感染力がある淋病とは?

2019年12月16日

淋病は梅毒と並んで伝統的に性病の代表格として長い歴史を持ち、その症状の厳しさは人口に膾炙されてきました。淋病の原因となるのは淋菌という細菌ですが、二酸化炭素と水分と温暖な気温が生存のために必要なことから外気に触れて生存することは出来ません。そのため二酸化炭素と体温の両方のコンディションが整っている性行為が格好の感染経路になります。いわば性感染症の申し子とも言うべき病気といえます。しかし原因となる感染経路は何も狭義の性行為に限定されることはなく、オーラルセックスやディープキスなどの粘膜同士の濃厚な性的接触を伴う行為であれば、じゅうぶん感染力を発揮することが可能です。したがって淋菌の感染部位によって多彩な症状を呈するようになるのは、当然のことといえるでしょう。典型的なのは性行為の際に尿道周辺で感染すれば尿道炎を発症し、感染部位に口腔粘膜が接触すれば咽頭炎を発症します。また淋菌に汚染された体液が眼球周辺に付着すれば結膜炎を発症することもあります。もっとも淋菌性咽頭炎は自覚症状に乏しく淋病の診察の際に発見されるのが多いようです。一方で、淋菌性結膜炎は酷い充血やまぶたの腫れやクリーム状の目やにが大量に出るなどの症状が生じます。

淋病の感染率は他の性感染症に比較しても際立っており、割合は0.3つまり30%です。単純計算すると一方がキャリアの場合、4回の性行為を持てばほぼ淋病がうつる計算になります。淋病は0.3と言う高い感染率のほかに男性と女性では症状の出現にも特徴が見られます。男性の典型的な症状は淋菌性尿道炎です。数ある性病のなかでも男性の淋菌性尿道炎は強い排尿痛を呈することで知られており、勃起痛と黄色い膿状の分泌物も排出されます。このままの状態で放置すると精巣上皮まで炎症が波及し強い痛みのあまり歩行困難になることもあるほどです。これに引換え女性ではそれほど強い自覚症状が出るわけではなく、オリモノの増加や軽度の不正出血程度で特に目立つ症状は見られないのが特徴です。しかし治療しないまま放置すると子宮卵管炎や卵巣炎の原因にもなり、不妊症をもたらすリスクもあります。治療方法は抗生物質の投与です。ペニシリン系抗生物質の内服やセフェム系抗生物質の点滴投与などによって治癒することが出来ます。なお最近では抗生物質による治療方法に耐性を獲得した”スーパー淋病”の蔓延が危惧されているので所定の期間、症状が治まってもクスリを飲みきることが重要です。